2020年卒業予定の大学生に対する、大手企業の採用選考が6/1にスタートしたとニュースで伝えられた。今年はゴールデンウィークの大型10連休の影響もあったため採用選考を早めている企業が多くあり、新卒採用市場としては既に終盤を迎えているとの報道もある。経団連の指針では、今年は10/1に内定出しが解禁になるようだが、前述のとおり選考スケジュールが早まっている関係で、実態としては現状二人に一人が内定を獲得しているとの調査結果が出ている。その一方で、内定辞退出始める時期も早まる見込みで、そうすると必然的に辞退者の数も増えることが予想される。せっかく時間と費用をかけて内定を出したとしても、辞退されてはそれまでの活動が無駄になってしまう。

 

そこで、恐らく内定辞退が頻発して困っているであろう人事部の皆さまに向けて、

改めて内定者フォローの目的について紹介させていただきたい。

 

【内定者フォローの目的】

内定者フォローの最大の目的とは、「辞退者を出さず、全員の入社を実現すること」である。
そのために、「懇親会」や「勉強会」「研修」などを設けることで学生との『関係』をつなぎ留めておくのだ。
人事部の皆さまは、このポイントをどれくらい重要視しているだろうか。

 

【入社前の学生の心理状況】

2017年卒マイナビ内定者意識調査「①入社予定先企業を決めた後、不安になったことはあるか」では、実に66.7%の学生が「不安になったことがある」と回答している。内定先を早々に決めた学生は、残りの学生生活を謳歌して気兼ねなく過ごしていると思いきや、半数以上の学生が社会人になる事について不安に感じている。

内定者フォローについて1

 

【企業と学生とのギャップ】

実施されている内容と学生が希望するものとして差異が大きいのが「勉強会・グループワーク・研修」「e-learning形式の通信教育」など、社会に出る準備に必要な学びを求めていることがわかる。

企業側としては、実際に働いたことがない学生を採用する時点で、入社以降育てて何年か経て一人前にすることをある種想定して採用しているであろうが、採用したからにはいち早く戦力になって欲しいという思いも当然あるのではないだろうか。

以上を踏まえて内定者研修の目的は、学生の「不安の払拭」「早期戦力化」を主題に研修を組んでいくことが望まれる。

内定者フォローについて

 

【内定者フォローの設計にあたり留意すべき3つのポイント】

内定者フォローの設計にあたっては、まず以下の3つのポイントに留意する。

内定者に負担を強いない

内定者はまだ学生であるため、内定者向けイベントを実施する際には当然、学事日程に配慮するとともに、あくまで主体的に参加してもらうことを前提としなくてはならない。
万が一内定者にとって負担を感じるものになってしまえば、逆効果になる可能性がある。

内定者と企業、双方にメリットがあるものにする

内定者フォローを設計する際には、内定者にとっての動機付けや教育の場としてだけでなく、社内にも何らかの効果があるものにする。内定者フォローの段階から現場をうまく巻き込むことができれば、社内の新入社員に対する意識が高まって入社後の受け入れがスムーズになったり、次年度の採用活動への関心が高まったりと社内のモチベーション維持なども期待できる。

入社後の活躍を念頭におく

内定者フォローは、入社後の配属や育成と整合性をもっていることが重要である。

入社後のミスマッチを防止して「早期戦力化」につなげるためには、内定期間だけでなく入社後までを見据え、具体的なプログラムを設計する。

 

【内定者フォローの3つのステップ】

内定者の状況を把握する

具体的なプログラムや日程の検討に入る前に、まずは自社の内定者が現在どのような状態にあるかを把握していただきたい。
一般的に、内定者の置かれた状況は以下の3つに大別できる。

・自社への入社を決めて就職活動を終了している
・自社に内定したが、まだ就職活動を続けている
・具体的な活動はしていないものの、入社を迷っている

それぞれの内定者が今どんな状況にあるのか、しっかりと把握することが大切である。

 

内定者フォローの目的を明確にする

内定者の状況がきちんと把握できたら、フォロー施策によって内定者がどのような状態になることを目指すのか、その目的を明確化する。

他社への心変わりを防ぐ」「入社前の不安を取り除く」など、企業によって内定者フォローの目的は変わるため、一般的に行われているようなフォロー施策をただ実施すればよいのではなく、自社の状況に即し、目的をもって設計することが重要である。

 

実施内容の検討

内定者の状況とフォローの目的が明確化したら、フォロー施策の具体的な内容を企画する。

目的を達成するためには、いつ、どのような施策を、どのような形で実施するのがよいのか検討する。

 

【まとめ】

採用実績の少ない会社では、他社と比較して行うことが多いと思われるが、自社と学生の状況をしっかりと明確化し、自社に合った内定者フォローが求められる。ただ、ノウハウのない企業にとって自社だけで、採用を行うことは困難が予測される。そこで、採用アウトソーシングなどのサービスを検討するのも手ではないだろうか。

 

次回、「内定者フォローの実例」をご紹介!