厚生労働省によると、女性の育児休業取得率は毎年8割を超えることが分かります。しかし、子どもが生まれたときどのような手続きをとったらいいのか、また、延長はできるのか気になる方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は育児休業給付金の流れや延長時のポイントをまとめてみました。

 

【育児休業とは?】

子どもを養育するために休業を申し出た方が、子どもが1歳に達する日まで(最大2歳に達する日まで)休暇を取得できる制度のことです。原則、子ども1人につき1回までという決まりがあります。

 

【育児休業給付金のお手続きの流れ】

受給要件
1. 1歳未満の子供を養育するために、育児休業を取得していること
職場復帰を前提に取得するものなので、休業取得時に退職が確定している場合は、支給対象外となります。
2. 育児休業を開始した日より前2年間に雇用保険の被保険者期間である賃金支払基礎日数が11日以上ある月が継続して12か月以上あること。ない場合でも、その期間中に第1子の育児休業や本人の疾病等がある場合は、受給要件が緩和され、受給要件を満たす場合があります。

 

また、期間雇用者(期間を定めて雇用されている者)も支給の対象となります。その場合、上記に加えて、以下に該当する必要があります。

1.同一事業主のもとで1年以上雇用が継続されていること。 ※2022年4月からこの要件は撤廃されます
2.同一事業主のもとで1歳6か月までの間に、労働契約が満了しないことが明らかであること。

 

【初回の申請に必要な書類】

1.雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
2.育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
※個人番号欄にマイナンバー(個人番号)を記載ください。
3.賃金台帳、労働者名簿、出勤簿等(1・2に記載した賃金の額及び賃金の支払い状況を証明することができる書類)
4.母子手帳など育児を行っている事実を確認できる書類

 

【2回目以降の申請の際に必要な書類】
1.育児休業給付支給申請書(受給資格確認や前回の支給申請手続後にハローワークから交付されます。)
2.賃金台帳、出勤簿又はタイムカード(1.の申請書に記載した支給対象期間中に支払われた賃金の額及び賃金の支払い状況、休業日数及び就労日数を確認できる書類)

 

育児休業を取得するためには、育児休業開始日の1か月前までに会社に申し出る必要があります。申し出が遅れた場合でも、取得することは可能です。従業員は育児休業開始予定日の1カ月前までに書面で「育児休業申出書」を提出します。

 

また、事業主は、育児休業取得予定者(従業員)に対し、事実確認の為以下の書類の提出を求めることができます。

(例)
・妊娠の事実:医師が交付する当該事実についての診断書
・出生の事実:官公署が発行する出生届受理証明書
・出産予定日の事実:医師が交付する当該事実についての診断書

 

また、事業主は約2週間以内に従業員に対し「育児休業取扱通知書」を書面で交付する必要があります。

 

参考:【厚生労働省】育児・介護休業法のあらまし

 

【育児休業延長の要件】

冒頭でも述べた通り、育児休業の給付金は子供が1歳に到達する前日までです。しかし、一定の要件を満たせば最大2歳まで延長することができます。

延長事由はいくつかありますが、ここでは「保育園に入れなかった」場合について解説します。

 

【延長の申請に必要な書類】
1.賃金台帳、出勤簿
2.保育所入所保留通知書

 

加えて、支給申請書に「延長の事由と期間」の記載も必要です。延長申請の期限は、延長開始日の2週間前です。

 

また、「保育園に入れなかった」場合の他に、以下のような場合も延長事由に該当します。

・6週間以内に出産の予定があるまたは、産後8週間を経過しないとき
必要書類・・・産前産後に係る母子健康手帳
・病気などにより子供を養育することが困難となった
必要書類・・・医師の診断書
・子供を養育する予定の配偶者が死亡した
必要書類・・・住民票の写し、母子健康手帳

 

参考:【厚生労働省】「育児休業」の延長を予定されている労働者・事業主の皆さまへ

 

【延長申請が認められなかった例】

以下の場合は認められません。
・保育所に空きがなかったため、入所を申し込んでいなかったこと。
・子供が1歳になるまでの間に保育所の入所を申込んだが、入所希望の日付を子供が 1 歳になった後の日付にした
・子供が1歳になるまでの間に保育所の入所を申込んだが、既に子供が 1 歳になる前の時点で入所申込みの締切りが過ぎていた
・保育所などへの入所の意思がない場合に入所を申し込み、その保育所などに入れなかったことを理由に育児休業の延長を申し出ること。

・保育所に子どもを入所させて復職する予定だったが、市区町村等からの登園自粛の要請は受けていないものの、感染防止のために自主的に子どもを保育所に預けないこと。

 

参考:【総務省】育児休業給付金の受給期間延長申請に関する事例・判断材料の整理と制度の改めての周知に向けた見直し

参考:【厚生労働省】新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)

 

 

以上のことから、
保育所に空きがない場合でも入所申込みが必要であること
入所希望日は1歳の誕生日までの日付としなければならないこと
上記2点を理解している必要があります。

 

【育児休業の延長が認められた例】

・保育所に子どもを入所させて復職する予定だったが、市区町村等からその保育所への登園自粛の要請を受けた

 

<子どもが1歳未満の場合(1歳より早く復職する予定だった場合)>
現在育児休業中であれば、育児休業の終了予定日を最長1歳まで延長の変更を申し出することができます。法令上は1か月前までに申し出ることとなっており、1回まで終了予定日は変更可能です。また、育児休業から一度復帰している場合も、再び育児休業の申し出ができます。(※)

※子供を養育する親が両方育児休業をする場合、一定の要件を満たせば最長1歳2か月まで延長できます。
※1歳から1歳6か月までの休業、1歳6か月から2歳までの休業についても同様の変更の申出ができます。

 

<子どもが1歳又は1歳6か月になるときの場合>
子どもが1歳又は1歳6か月になるときに延長したい場合には、1歳からの休業であれば最長1歳6か月まで、1歳6か月からの休業であれば最長2歳までの育児休業の延長を申し出ることできます。通常と同じ延長の手続きを行ってください。

 

参考:【厚生労働省】新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)

 

【最後に】

育児休業給付金について、改めて理解をしていただき、給付金の受給資格があるにも関わらず、貰えなかったということがないように、会社としても周知したり、個々人でも把握するようにしましょう。